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羅東林業文化園区で太平山の林業の歴史を学ぶ。

羅東林業文化園区に展示されている汽車
【羅東林業文化園区に保存されている森林鉄道。】
宜蘭の町をぐるっと散歩したあと、列車に乗って羅東に移動しました。
羅東は宜蘭から各駅停車で2つか3つめの夜市が有名な町で、夜市を目的に訪れる人が多いところです。
このページでは、かつてこのあたりを走っていた森林鉄道について紹介したいと思います。

羅東駅から徒歩圏内に「羅東林業文化園区」と呼ばれる公園があります。
こちらの公園は線路沿いにあるので、注意してみていれば列車の中からも確認できます。

台湾北東部にそびえる太平山はかつて台湾三大林業地帯の一つで、山の上で伐採した木を運ぶために
森林鉄道が走っていました。
その森林鉄道は現在の羅東駅の一つ手前の「竹林駅」周辺まで丸太を運び、
そこから羅東まで接続していました。

羅東を訪れる前は、「ちょっと公園をぶらついて夜市でご飯食べて帰るか」とくらいの軽いノリ。
というのも、どうせだだっ広い敷地の中に昔のSLが展示されているだけだろうと思っていたのです。
昔の鉄道が申し訳程度に隅っこに飾られた現代風の公園をイメージしていたので、
あまりにもキッチリと作り込まれた公園の姿に驚いてしまいました。
宜蘭県も羅東市もちょっと、宣伝不足なんじゃないの!!

日本人でも鉄道好きな人たちは、この森林鉄道の跡をたどったりしてるようですが、
お子さん連れでも、普通の人も是非、訪れてほしいところです。

現在の台湾鉄道 区間車
現在の台湾の鉄道。
まずこの林業文化園区の面積は16万平方メートルもあったようです。
羅東駅側(南)の入口近くには大きな倉庫がいくつも並んでおり、
この辺りは鉄道の車庫や整備場だったのかな?と推察。
入口近くには職員や労働者の寮として作られた木造の日本家屋が並んでいます。

現在は、交流会館として使っていたり、住居として居住している方もいるようです。
住民の居住区なので、観光客立ち入り禁止と書かれた場所もありました。

園内は昔の木材運搬の様子を再現した数々の演出がなされていて、
森をイメージしたかのような園内に入ると、堂々たる風情の機関車が
丸太を引いている姿を再現しています。
汽車の横には運搬された木材を保管しておくための池まで復元。
当時の様子を再現するために、わざわざ漂流木を浮かべておく凝りようがスゴイ。

鉄道刑務所
花蓮の鉄道刑務所[復元]
無賃乗車で収監?
江戸の木材集積場と言えば「木場」でしたけども、今の木場は現代的な
公園になっている様です。
さらに「新木場」といえば、東京ビッグサイトに行くとき使うなぁ。
あの辺りって最近開発されてたとこだなぁというイメージしかない。

勝手な想像ですが、どんどん開発されてしまった東京と違って、たまたま台湾の東海岸では、
このような昔の遺産が土地ごと含めて長いこと放置されていたのではないかなぁと。
そして、今になって「昔の台湾の姿を復元しようじゃないか」という動きが活発になったのではないかなと。

宜蘭の日本式家屋もそうでしたが、羅東のここ、そして花蓮や台東では駅舎が内陸に移転してしまい、
その鉄道駅跡地などが次々と復元され、文化施設などとして活用されています。
そして、なにより驚いたのは、その施設が無料で開放されていることです。
観光客に町をPRする意味だけでなく、子供たちへの教育の場、さらに地元の人たちの憩いの場にもなる。
実際、広い敷地内をぐるりと回れる遊歩道や、ビオトープ、展示館等が整備されています。
展示された客車の座席に座り込み、新聞とお茶を持ち込んでくつろいでいる人などもおられました。

羅東林業文化園区周辺地図
羅東はあまり大きな建物がないので景色も邪魔しませんし、なかなか雰囲気が良いですよ。
台鉄の線路沿いなので、時々最新鋭の列車が走り抜けるのを眺めているのも対比が面白いです。
というより、公園から列車の通過を眺める方がしっくりくるかな。

ちなみに2017年の羅東再訪で、この太平山森林鉄道の他の駅も訪れています。
このサイトのあらかたの整理が終わった後に記事を改訂して掲載しますので気長にお待ちください。


羅東 写真館

保存されている森林鉄道関連

丸太を引く森林鉄道
丸太を引く森林鉄道が園内に整備された線路の上に鎮座し、その横には丸太を一時保管する貯蓄池(写真下左)。遠くから眺めると森林の中を鉄道が走っているようにもみえ、見事な演出だなぁと感心する。
外に展示されているもの以外にもいくつかSLが展示されているが、戦前の物、戦後の物とあった気がします。 戦後の物は「日本の川崎重工の○○をモデルに作られた」とか書いてあった。

丸太を貯めておくため池森林の向こうに鉄道が走るようなイメージ古い蒸気機関車いろいろ丸太を引く貨車のイメージ

竹林駅

復元した竹林駅
この森林鉄道は昔は丸太の運搬用だったようですが、1970年代まで太平山から麓まで客車としても 利用されていたようです。 ターミナル駅の竹林駅は当時の雰囲気に作られ、壁には路線図や料金表などが掲示されていました。
この駅の向かいには客車を引いたSLも展示されていて、中の出入りは自由です。 客車は外見はともかく、中は今風?でした。

台湾 羅東森林鉄道の路線図台湾 羅東森林鉄道の距離表台湾 羅東森林鉄道の料金表台湾 羅東森林鉄道の昔の路線のイメージ図
【 ↑路線図や料金表などはクリックすると拡大します。 】

市民の憩いの場として解放された様子

客車を引いた機関車
この機関車の客車の中は木製のテーブルと椅子がしつらえてあり、自由に休むことができます。 また敷地内をぐるりと散歩出来る遊歩道も木製でシックに仕上げてあり、ウォーキングに来る人もいました。 朝は近所のお年寄りたちの憩いの場になっているかもしれません。
また敷地の北側には復元された日本家屋が並んでおり、ここは芸術家たちに解放しているようです。 台湾は芸術家の支援にお金をかけてるみたい。他の地域でもそういうのを見かけます。

池の周りに整備された遊歩道遊歩道の横を現在の台鉄列車が走る遊歩道丸太を運んでいたトラック?


羅東で食べたものいろいろ

葱油派 葱パイ 中身
羅東ではここいらで一番大きい羅東観光夜市に行きました。 市内の至る所に「羅東観光夜市」と書かれた看板があるので迷うことはないでしょう。
左の葱油派(葱パイ)は羅東に到着してすぐに中山公園西の郵便局前の屋台で食べ、羅東林業文化園区を見学した後、 羅東観光夜市で當歸羊肉湯葱多餅を買い食い。
羅東観光夜市で一番行列しているのが羊肉湯やさん。宜蘭名産の三星葱を使った軽食やさんは 数が結構多いです。

葱多餅 葱たっぷり揚げパン 當歸羊肉湯 当帰羊肉湯 羊の薬膳スープ 冬粉 沙茶羊肉麺 羊入り甘ミソあえ麺

台湾 東海岸に行きたくなったら・・・物価と旅程の目安にどうぞ。

旅行時期:2011年12月 1NT$=約2.7円

■交通:列車 宜蘭-羅東 15NT$
■食事:葱油派 25NT$、當歸羊肉湯 冬粉 60NT$、沙茶羊肉麺 60NT$、葱多餅 35NT$
■観光:みんな無料だった。
■宿泊:ヨアイ ホテル - クラシック (Yoai Hotel-Classic)  5500円くらい

■成田-台湾航空券 直行便で20,000円前後~。
 台北便は通常チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
 ジェットスターなどの格安航空会社も出てきました。年末などの繁忙期は検討の価値もあるかも。
 また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
 高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
 お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。


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