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台北近郊観光:ローカルな平渓線周辺をのんびり歩く。

平渓線 終点駅に停車する列車
【平渓線 終点の菁桐駅に停車する列車】
台北で列車の手配などの所要を済ませ、台北近郊に観光に出てみることにした。
これまでの旅は台湾というと町歩きや食べ歩きがメインで、観光地らしい観光地にあまり行ったことがない。
特に台北は台湾一の都会であり、外国人観光客もいっぱいいて敬遠していたところもある。
特に理由もなく台北近郊を通り過ぎていたので、この際、ベタな観光地に初チャレンジしてみた。

ベタな観光地は朝から晩まで観光客でごった返すので、宿泊するに限る。
宿泊するとバスツアーが出入りする時間帯を避けて行動できるので、のんびりとその町を楽しめるからだ。
台北近郊のベタな観光地といえばやっぱり九イ分。
日本では宮崎駿監督のアニメ作品「千と千尋の神隠し」の舞台として知られる町だが、
台湾ではトニーレオン出演の映画「悲情城市」など、多くの台湾映画の舞台としてなじみがある。
台北からバスで1時間半ほどのため、観光客のほとんどは日帰りで訪れる。だからこそあえて宿泊を選んだ。

平渓線終点の菁桐駅近郊にある炭坑夫のオブジェ
菁桐駅近くにあるオブジェ。
台北のホテルに荷物の大半を預け、デイパック一つで出発した。
九イ分へ行くためには東回りの列車に乗り、瑞芳駅で降りればいいのだが、
あえて瑞芳を通り過ぎ、その先の平渓線に乗り継いで観光する。
平渓線は2~3両編成のローカル線です。 周辺の町は九イ分同様、かつては鉱山としてにぎわっていたところであり、 その石炭の採掘輸送手段として作られたのが平渓線です。

鉱山の閉山後はにぎわいも薄れ、ひっそりと列車だけが取り残されていたたそうですが、 近年、残っていた炭坑関連の設備や住居跡などが次々に復元、整備されました。 また、台北から気軽に来られる立地条件も相まって一大観光地に変貌しました。

ちなみに20年ほど前に平渓線に乗車しにきた鉄ちゃんによると
駅前には村の人がちょこっと買い物をする雑貨屋がある程度で、完全なる田舎のローカル線だったようです。
だからこそ日本から鉄道ファンがこぞって写真を撮りに通っていた訳ですけども、
今やそんなオタク的な要素は全くなく、台北の若者がデートで来たりします。

平渓線の1日乗り放題チケット
平渓線1日乗り放題チケット。
平日だったにもかかわらず、3両の車両はぎゅうぎゅう詰め。
始発駅からしばらくは東京のラッシュアワーのごとく混み合います。
田舎のローカル線に乗りに行く気分だった自分はただ驚くばかりです。

台北で列車に乗車したときも、カメラを首から下げた若者が多かったので覚悟はしていましたが、
それでも瑞芳駅で降りて九イ分を目指す人が大半だと思ったのです。
確かに多くの観光客は九イ分に向かったのは事実ですが、逆に九イ分から平渓線へ流れてくる人並みも尋常ではなく、のんびりとローカル線の車窓の風景を楽しむ・・・なんて風情はみじんもありませんでした。

しかしそもそも平渓線に乗ること自体が観光の一つのため、車で来る観光客はそれほど多くはないようです。
また、駅周辺に観光スポットが多く、一番有名な十イ分駅での下車を避けたため、
列車を降りてからはそれほど人混みに悩まされることはなくなりました。

平渓線の運行頻度は1時間に1本程度です。
時刻表をチェックしてしっかりと時間を組み立てながら、のんびりと田舎町の散歩などどうぞ。
私はクリスマス休暇に引っかかったのでこういう状態でしたけども、
おそらく何もない時期であれば平日はもうちょっとのんびりしたところではないかなと思います。

平渓線 観光写真いろいろ

平渓線の写真

平渓線を遠くから見たショット
観光地としての認知度が上がったこともあり、台湾の鉄道局も観光列車として車両をラッピングしていました。 クリスマス時期で乗客が多いのもあり、通常の2両編成から3両編成にしていた模様です。
びっくりしたのは車両ドアの開け閉めを車掌室で操作できないようで、駅に着くたびに車掌さんがいちいち車掌室から出てきて客室出入り口のスイッチを操作していたことです。
混んでいる列車だったので乗客をいちいちかき分けてめんどくさそうだった。 なんであんな変な設計したんでしょうね?
走り抜ける平渓線 平渓駅に停車する平渓線車両 平渓線に乗り込む観光客

平渓線周辺の町並みなど

日本統治時代の日本式家屋
平渓線周辺の炭坑は日本統治時代にできたものなので周辺に日本式の家屋などが残されています。 日本家屋は日本人の幹部の寝泊まりする家だったようです。現在は民宿に改装していたり、博物館か何かとして使われていたりします。
駅舎も当時の古いたたずまいがそのまま残っていて、日本人からしても懐かしい雰囲気です。
駅前商店街 遠くから見ると山間の小さな町 平渓駅近くの郵便局にある古いポスト レトロなたたずまいを残す駅舎

平渓線周辺には天灯屋さんだらけ。(平渓名物の空飛ぶ灯篭)

線路上で天灯を揚げる観光客
天灯というのは平渓線の観光の名物にもなっているもので、紙製の灯篭の中に火種をつけて熱気球と同じ原理で空に放ちます。元々は平渓付近に入植した漢人が原住民の来襲等を知らせるために放ったのが発端。現在は平安と幸福祈願のためにに旧暦1月15日の元宵節に盛大に放たれます。
で、観光客がいつでもこれを楽しめるようにしたものが、これ。 紙灯籠にマジックで自分の願い事を書いて大空に放つわけです。
まっすぐ綺麗に飛んでいったら願いが叶うといわれているようで、駅周辺はこの紙灯籠を楽しめる店だらけです。
しかし、大空に舞い上がった灯籠は当然落下するわけで、山を散歩していると川や木の陰に紙灯籠の残骸が落ちているのが目についた。きっと時々村の人たちで一斉に掃除とかしてるんだろな~。
でも山火事とかすっげー心配なのは私だけでしょうか?

舞い上がった天灯 健康と子供をお願いした天灯 灯籠作りをする駅前のお店 お土産は天灯関連グッズ

許願筒 竹筒に願い事を込めて

竹筒を天高く投げる男性
灯籠も願い事を叶えるための道具でしたが、こちらも似たような使い方をします。 「許願筒」といい、これに願い事を書いて吊します。台湾人の間では子宝の祈願として有名だそうで、合格祝いなどの合間に子宝祈願もちらほら。そういえば上で書いた灯籠にも子宝祈願の人がいました。

で、この竹筒ですが、竹筒を吊す専用の小屋みたいなところがあり、 そこに吊されているんですけども、より高いところに吊すと願いが叶うのかどうか、線路の上にあるコンクリートの建物跡の隙間からからはい出した木に向かってこれを投げる人がたくさんいた。
この竹筒はぬんちゃくみたいな形で、2つの竹筒がひもでつながっているので、ただでさえ高い場所にあるのに、さらに木をねらい打ちして投げるのは難しい。力が分散してしまうのですね。
何度も何度も失敗してやり直してたけど、落ちてきたときに竹が割れたら願いも木っ端みじんになりそうだな~、なんて思いながら見てました。

駅舎の上に生える木に引っかかっている竹筒 願いを書いた竹筒を引っかける場所 竹筒と灯籠をうるおばちゃん

台湾に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2012年12月~2012年1月
1NTW$=約3円

■交通:列車 台北-瑞芳 49NTW$、平渓線乗り放題切符 52NTW$ 他
■食事:海塩ラテ 160NTW$、ティーラテ 140NTW$
■宿泊:九イ分老舎景観民宿  8450円 (代理店経由で予約)

■羽田-台北航空券 直行便で20,000円前後~。

台北便は通常チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
特に閑散期のチャイナエアの安さは目を見張る物があり、航空会社にこだわらない人は使いでがある。
ジェットスターなどの格安航空会社も出てきました。年末などの繁忙期は検討の価値もあるかも。
また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。(その他:花蓮-沖縄間のチャーター便も。)
JALやチャイナエアなら比較的特典航空券をとりやすいので、貯めてる人はマイルで飛ぶのもアリ。

旅程を立てるために参考にした本やウェブサイト
交通部鉄路管理局花東縦谷国家風景区旅々台北台北ナビEasyTravel台東民宿網