台北近郊観光:レトロチャイナに浸れる町、九份。
【九イ分から見える海景:九イ分が舞台の映画では定番の景色】
九イ分は台北からは日帰り圏内ではあるが、町の雰囲気をゆっくり見たいため人混みはさけたいのだ。
平渓線は想定外の混雑ぶりで少々驚いたが、さすがに夕方ともなるとほとんどの観光客が引き上げるため、
人混みは徐々に解消していった。
平渓線観光の出発地である瑞芳駅に到着すると、駅前に停車していたバスがちょうど九イ分を通るバスだった。
そのバスに乗り込み九分に向かった。
夜景。
ことで知られているが、元々は鉱山の町として栄えていた時代がある。
日本の多くの鉱山が時代の変遷とともに廃れていったのと同じように、
九イ分周辺も同じような末路をたどっていた。
抗夫やその家族が徐々に町から離れて行くに連れ町はみるみる衰退し、
山間に小さな集落を残すのみとなったのである。
人の手を入れられないまま残ったかつての繁華街は、年月が経つに連れ
逆にレトロでアンニュイな雰囲気を醸し出していた。
その雰囲気に魅了された芸術家たちが次々と芸術作品を生み出していき、
見事に観光地として復活したわけだ。
山肌に沿うように建てられた集落から海が望めるのも運がよかったといえる。
山に這うように町がある。
今では観光客向けのおみやげ物屋や軽食屋に早変わり。
海を見渡せる斜面に沿った建て屋は景色を楽しみながら食事やお茶を楽しむ
観光客に大人気で、特にその時代を知らない若い観光客が
こぞって九イ分を訪れているようだった。
興味深かったのは、翌日、基隆でお話ししたおばあさんのせりふだ。
「どこから来たの?台北?」との問いに「九イ分」と応えると、こう返された。
「九イ分なんて何もないでしょ?」ときた。
確かに炭坑が廃坑になった今では単なる田舎町で、
あるのは観光客用に作られたお茶屋や土産物やばかりだ。
日用品を買えるようなお店はほとんどなく、坂ばかりで年寄りには生活しにくい。
素晴らしい自然があるわけでもなし、烏来の様に温泉があるでもなし、何にもないといえば何にもない。
この台詞を発したのが九分の人なら、単なる謙遜なんだけど、
昔も今も台湾随一の港町である基隆に住んでるというおばあさんのプライドを感じる。
(日本だと、横浜とか神戸とかに近いのかもしんない。)
九イ分はある意味、「レトロ中華」をコンセプトにしたテーマパークってところだ。
そして、芸術家によるしゃれた雰囲気の演出が上手で、女子ウケする町でもある。
今でも「台湾旅行に行った」と話すと、多くの人に「九分にいきたいんです~」と言われる。
台北から近くて取材しやすいから、平渓線とセットでよく日本のテレビで取り上げられるからだ。
(そして、こういってのけるのは大抵女子か、女子っぽい男子です。)
一度くらいは足を運ぶのも悪くはないと思いますが、せめてこの地が舞台になった
映画を見てから訪れることをおすすめします。
そうでないと人混みをかき分けながら中華っぽいおやつを食べ歩いて、終わっちゃうかも。
あとはインスタ映えする写真撮って、帰ってくるだけでしょうか。
そういうのが好きな人はいいですけど。
うちの身内には「観光客が少ない観光地なんて行きたくなくね?」とか言われました。
私は観光客でごった返している観光地にはさほど行きたくないんで、価値観の相違。人それぞれですね。
九イ分 写真館
九イ分の老街や路地の様子
九イ分はチャイナテイストの木造家屋や調度品のバランスがレトロ感を醸し出している。夜にともされる提灯の雰囲気もおしゃれで、台北からのツアーの場合、九分を夜に訪れるプランも用意されているほど。
特に町の麓から真上に伸びる細い坂道に沿って徒歩で階段を上がっていくのが最も雰囲気を楽しめます。
しかし少しでも観光エリアを外れると観光客はぴたりといなくなる。 町の人の生活エリアだけでなく、炭坑跡や寺院も見向きもされていない有様。
台湾人が興味があるのはあくまでも「レトロ中華」だけのようだ。
特に町の麓から真上に伸びる細い坂道に沿って徒歩で階段を上がっていくのが最も雰囲気を楽しめます。
しかし少しでも観光エリアを外れると観光客はぴたりといなくなる。 町の人の生活エリアだけでなく、炭坑跡や寺院も見向きもされていない有様。
台湾人が興味があるのはあくまでも「レトロ中華」だけのようだ。
客家人?のばあちゃんの素朴なおやつ
九イ分の町を縦断する老街ではぶらぶらと歩く観光客向けのおやつを提供するお店が多い。
中でも必ず取り上げられるのが「芋圓」と「芋米果」の二つ。米粉を使った素朴なおやつである。
台湾で流行の小吃はほとんどが大陸の福建省から伝わったものだが、九イ分を歩く限り、名物とされているものの多くが客家の食べ物だなという印象で、これらも客家米食の一つだよなぁと。
大陸の客家菜に比べるとかなり洗練されてると思いますけど。
台湾で流行の小吃はほとんどが大陸の福建省から伝わったものだが、九イ分を歩く限り、名物とされているものの多くが客家の食べ物だなという印象で、これらも客家米食の一つだよなぁと。
大陸の客家菜に比べるとかなり洗練されてると思いますけど。
御茶屋さんで優雅にティータイム
九イ分の多くのレストランはお茶屋さんを兼ねていて、というか逆にお茶屋さんがレストランを兼ねていると言うべきか。各テーブルに炭と鉄瓶が備え付けてあり、お茶菓子をつまみながらのんびりとお茶を楽しむことができる。
(このあたりもお茶も福建省がメインだよな~と思ったり。)
この日は雨が降りしきり、とてもじゃないけど町を歩く気にも別の場所に移動する気にもなれなかったので、台湾式にお茶を楽しんでみました。
ガイドブックには必ず掲載されているお茶屋さんです。オーナーが芸術家のようで茶器を始めいろんなところに凝っていました。
この日は雨が降りしきり、とてもじゃないけど町を歩く気にも別の場所に移動する気にもなれなかったので、台湾式にお茶を楽しんでみました。
ガイドブックには必ず掲載されているお茶屋さんです。オーナーが芸術家のようで茶器を始めいろんなところに凝っていました。
晩ご飯はおばあちゃんの味:おそらく客家人かなと。
千と千尋で有名な阿婆茶屋のすぐ隣にある「芋仔蕃薯」というお茶屋兼レストラン。窓の外から海が見渡せるお店の一つ。お店のおばあさんは日本語が話せます。家庭的な味で、日本人の口にも合う。
阿女麼的筍絲扣肉や黄薑豆腐を食べてみて、「やっぱり客家菜系だよなぁ」と。 味付けが薄めなのは、今の台湾に住んでる限り、昔のように味付けを濃くする理由がないからかと。
麻油麺線はシンプルで麺の味そのものが好きな人にはうれしい味。 素麺でやってもおいしいと思う。
阿女麼的筍絲扣肉や黄薑豆腐を食べてみて、「やっぱり客家菜系だよなぁ」と。 味付けが薄めなのは、今の台湾に住んでる限り、昔のように味付けを濃くする理由がないからかと。
麻油麺線はシンプルで麺の味そのものが好きな人にはうれしい味。 素麺でやってもおいしいと思う。
おまけ:九分は猫がやたらに多かった
日本人もやたらに猫をかわいがる人種だが、九イ分ではやたらに猫を見かけました。
猫を飼っている人もいたし、野良猫?っぽい雰囲気の猫もいた。(台湾では犬も野良のように徘徊しているが。)
左の写真は猫が九イ分の景色を眺めているかのようでかわいかったので思わずぱちり。
左の写真は猫が九イ分の景色を眺めているかのようでかわいかったので思わずぱちり。
九分の宿:九イ分老舎景観民宿 蜜月假期 8450円(代理店手数料込み)
台北縣瑞芳鎮街頂巷20號 tel:0912-547-078 fax: 02-24063709
九イ分の温莎堡民宿系列の宿の一つ。古い家を民宿に改造してあり、ロマンチックな雰囲気が若者や女性受けする感じ。住宅街の一角の「蜜月假期」泊。窓からは海を見下ろすことができます。
ベッドはダブルベッドが一つですが、隣の部屋にソファベッドがあるため、最大宿泊人数は4人まで。家族連れでも大丈夫です。(ただし、民家を無理矢理民宿に改造しているため、家族連れだとトイレやシャワーの位置が不便かも。)
朝食は系列の民宿のすべての宿泊客が系列のカフェで取ります。 洋食なのはなんとなくがっかり。でも台湾人の若者にはこれがおしゃれでいいのでしょう。 宿泊客はほとんど若者でした。
宿に直接予約すると支払いなどが面倒なので、旅行代理店を通すことをおすすめします。 (旅旅トラベル)
ベッドはダブルベッドが一つですが、隣の部屋にソファベッドがあるため、最大宿泊人数は4人まで。家族連れでも大丈夫です。(ただし、民家を無理矢理民宿に改造しているため、家族連れだとトイレやシャワーの位置が不便かも。)
朝食は系列の民宿のすべての宿泊客が系列のカフェで取ります。 洋食なのはなんとなくがっかり。でも台湾人の若者にはこれがおしゃれでいいのでしょう。 宿泊客はほとんど若者でした。
宿に直接予約すると支払いなどが面倒なので、旅行代理店を通すことをおすすめします。 (旅旅トラベル)
台湾に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
旅行時期:2012年12月~2012年1月
1NTW$=約3円
1NTW$=約3円
■交通:バス 瑞芳-九イ分 15NTW$、九イ分-基隆 30NTW$
■食事:阿女麼的筍絲扣肉 350NT$、麻油麺線 100NTW$、黄薑豆腐 200NTW$、
炒地瓜菜 150NTW$、ビール 100NTW$、芋円 40NTW$、芋米果 10NTW$、
ルーローハン 25NTW$、魚丸湯 40NTW$、お茶屋 1100NTW$(東方美人、鳳梨酥、席代)
■宿泊:九イ分老舎景観民宿 8450円 (代理店経由で予約)
■羽田-台北航空券 直行便で20,000円前後~。
台北便は通常チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
特に閑散期のチャイナエアの安さは目を見張る物があり、航空会社にこだわらない人は使いでがある。
ジェットスターなどの格安航空会社も出てきました。年末などの繁忙期は検討の価値もあるかも。
また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。(その他:花蓮-沖縄間のチャーター便も。)
JALやチャイナエアなら比較的特典航空券をとりやすいので、貯めてる人はマイルで飛ぶのもアリ。
旅程を立てるために参考にした本やウェブサイト
ダイヤモンド社 2012-09-27
今回は少しだけ台北の観光名所や台北近郊観光地、おみやげ物色などがあったため、マップル台湾や台湾の歩き方など台北を中心に掲載されているガイドブックを一通り読んだ。そのほかの都市は完全にガイドブックに載っていないところばかりを歩いたため、すべてネット検索で情報を得ました。
今回は少しだけ台北の観光名所や台北近郊観光地、おみやげ物色などがあったため、マップル台湾や台湾の歩き方など台北を中心に掲載されているガイドブックを一通り読んだ。そのほかの都市は完全にガイドブックに載っていないところばかりを歩いたため、すべてネット検索で情報を得ました。
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