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ルカイ族結婚式(魯凱婚禮)の宴会準備は豚の解体から。

男たち総出で豚の解体!
【霧台部落の男たち総出で豚の解体!結婚式の準備はここから始まる。】

霧台滞在3日目の朝、最後の滞在をお名残惜しむように宿の屋上から霧台の山々の眺めておりました。
澄んだ空気を吸いながら、遠くに見える石板屋の家々の屋根を一通り楽しみ、階下へと降りていくと、
昨晩から同宿の日本人男性が声をかけてきました。

宿の窓から見えた準備の様子
電線の向こうで祭の準備
「なんか、お隣でイベントの準備してますよ。」

中二階の窓から外を覗いてみると、隣家の中庭に大勢の人たちが出入りしています。
ドラム缶で作った炉の上に大きなバナナの葉っぱを敷いているお母ちゃんの姿が。
ドラム缶からは煙がもくもくと上がり、明らかにこれから料理をするところです。
それも大人数向けの料理。

聞けば明日は結婚式だそうで、家族、親戚総出で結婚式の料理の準備中でした。
結婚するのはこの家の娘で、10キロほど離れた隣村の青年と結婚するんだそう。
つまりルカイ族とルカイ族の結婚っぽくて、伝統衣装に伝統料理でお祝いみたい。

ぐわーー、結婚式、見に行きたい!!お隣村に嫁ぐんでしょ!!と思ったけども、
私、翌々日までに台東に行かなくっちゃ行けなくて、翌日の知本の宿はキャンセルしたっていいんだけど、
結婚式を見た後に、霧台からのバスがあるうちに山を下って、屏東降りて、そこから電車を乗り継ぎ・・・ なんて無理!くそー間に合わねーーー。

カラフルで芸術家肌と評判のルカイの本物の結婚式を見れないことを惜しみつつ、じいちゃんばあちゃん、
とうちゃんかあちゃん総出の料理の準備を除いてきました。


車で続々と食材が届く。豚はまるごと買うのがすごい。

車で続々と食材が届く 内臓処理済みの豚がどさり 野菜などを積み込んだ荷台
婚家の駐車場兼庭とおぼしき空間に椅子やテーブルがずらりと並び、そこに次々と食材が運ばれてきます。
食材といっても豚とか山羊とか、家畜がまるごと。切り身がパックでやってくるなんてことはありません。
おそらく昔は山にみんなで狩りに行っていたんだろうけど、プユマの長老もお祭りの時などしか許可が下りないと言っていたので、 狩猟免許を持っていない一般人はやっぱり許可がないと駄目なんだと思われます。
しかし、そうはいってもまるごと豚を調達するっていうところが豪快です。

豚肉を細切れにするおじさんたち 豚肉を細切れにしていく
そして、その豚肉もざっくりとおろして解体した後、包丁で細切れにしていく。
あれ?丸焼きとかでなくって細切れ?

臓物は丁寧に水洗いして、煮込んでしまいます。レバーも腸も一緒に煮込んでスープにするのかな。
豚のレバーなどの臓物を洗う 豚の腸を洗う 臓物の煮込み

細切れ肉にした正体はこちら。アバイになります。

アバイの生地に豚肉を詰めるおばあちゃん アバイを作っているおばあちゃん
細切れにした肉はアバイの具になります。アバイというのは原住民族が食べているいわゆる粽です。
粟と餅米で作った生地に豚肉を入れた物を月桃の葉っぱで包んで蒸して作ります。
南王部落のプユマの人たちは1人前サイズに作りますが、霧台のルカイの人たちは細長く作って切るみたい。
そういえば宿の晩ご飯で出てきたアバイも切ってあって、断面が見えていました。
しっかり味が付いているので、味付けした肉を餅で包むのかと思うけど、生肉なんですよねー。
でも食べると何も付けなくても美味しいので、塩味つけてあるんだなー、生肉に。
上の写真のピンクのベストを着たおばあちゃん、当時92歳で日本語が達者でした。
アバイを月桃の葉で包んでいるところ 宿で頂いたアバイ

山羊?の解体は別棟で。これは何になるのかわからず

アバイの生地に豚肉を詰めるおばあちゃん
こちらは買ってきたのではなく明らかにこのおじいさんが獲ってきたのではと思わせる山羊。
(キョンだったりするのかしら。すいません。区別つかない。)
豚の解体していた家だけでは場所が足りないので、道路を挟んで斜め向かいでこちらを解体してた。
村の猟友会のおじさんっていう雰囲気だから自分たちで獲ってきてたりするのではと思うのだが・・・。

と、こんな感じでバスの出発時間まで、料理の準備を見せて頂きました。
準備しているのは年配の方々ばかりだったので、おそらく若い子は都会に働きに出ているんだと思う。
ちょうど年末年始のお休みが近かったので、年末年始に実家に戻って結婚式でもするんじゃないかなぁと。
私どもは年末年始に相変わらずプユマの祭りにお邪魔するつもりでいたので、ここまでで退散です。

日本のお酒を持参していたので、いろいろと説明してくれたおじいさんにお土産に渡しました。
おじいさんのおなかに入ったか、結婚式で飲んでくれたかは不明です。おめでとー。

ちなみに観光客向けのイベントとしての婚礼儀式はこんな感じであります。
南島族群婚礼(リンクは2015年のもの。)  もし機会があったら行ってみるのもいいかも。


台湾の旅に行きたくなったら・・・物価と旅程の目安にどうぞ。

旅行時期:2017年12月
1NT$=約4円
■交通:バス 屏東→霧台 142元、神山→霧台 24元
■その他:総合愛玉子 55元、コーヒー 60元、珈琲蛋 20元、小米粽、吉拿富 各35元、
■宿泊:夢想之家

■成田-台湾航空券 直行便で30,000円前後~。(参考:H.I.S. 台湾旅行
 台北便はLCC、チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
 LCCは夜中や早朝など時間帯が今ひとつな代わりに、台湾に早く到着できるというメリットもある。
 また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
 高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
 お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。

 国内線は、台湾の航空会社で直接買うと中国語(繁体字)なので若干ドキドキします。
 今はエクスペディアで定価で買えるので、使うといいですよ。