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スレートを使った石造りの家に住むルカイの村 霧台へ。

スレート屋根の上で酒を飲む男のオブジェ
【霧台のスレート屋根の上に酒飲みのルカイの男たちのオブジェがお出迎え】

台湾は九州ほどの大きさの国ですが、その中に16の先住民族(原住民)が居住しています。
日本人の多くは台湾を漢民族の国だと思っており、中には本当に中国の一部だと考えている人もいますが、
大航海時代に西洋列強が大陸から漢民族を働き手として連れてくる前から住んでいた人たちがいて、
彼らのことを台湾では原住民族と呼んでいます。
今回はその原住民族の中の魯凱(ルカイ)族の住んでいる村を訪ねてみました。

新幹線の切符
台北の桃園空港から入国し、入国審査で宿泊場所を聞かれて「屏東!」と答えて「遠いわね!」とか 言われちゃったりしましたけど、確かに台北からすれば遠いけど、新幹線使えばすぐなのよ。
桃園駅から新幹線でサクッと左営まで移動して、そこからローカル線に乗り換えて屏東まで。
屏東で一泊した翌日、駅前のバスターミナルから屏東客運で霧台行きのバスに乗って向かいます。

霧台郷は屏東県の北東の端っこの山の中です。距離から言えば台湾の西海岸より東海岸の方が近い。
次の目的地が台東だったのでそのまま山越えして行きたいところだけど、2009年に発生した八八水害により
未だに崖崩れが修復されておらず、山越えで東海岸に行く手段はありません。
ともかく、そんな山の中にあります。

屏東からのバスも1日たったの三往復です。
午前9時過ぎの2本目のバスに乗り、悠々と三地門経由で霧台まで向かいました。

余談:西海岸の移動は陸路長距離なるべく列車(新幹線)を使って!
鹿港へ行ったとき、玄関口の空港は台北の桃園空港。空港からダイレクトにバスで台中に出れば早いと思ったのに、 高速道路が大渋滞!土曜日の午前中はレジャーに出かける台湾の人がたくさんいたのだ。
おまけに台中市内も渋滞にはまり、昼過ぎには着けるはずだった鹿港に到着したのは夕方でした。
土日はレジャーに出かける台湾人で道路は混みますので、電車を使って移動する方が早いかも?!


屏東から霧台まではバスで約2時間半

屏東のバスターミナルから霧台までダイレクトにバスに乗ると大体2時間半で到着します。
霧台行きマイクロバス
霧台行きはマイクロバス
我々は9時半のバスに乗ったので、到着したのは11時過ぎです。
屏東の平地をひたすら走って、山を上がり始める前辺りに三地門という場所がありまして、 そこに原住民族の民族文化を伝える観光施設があります。
土日を外すと観光客も催し物も少ないと思われますが、立ち寄ってから午後のバスで霧台に上がることも可能です。

霧台まで繋がるバスは1日3本しかないけども、水門までなら頻発しています。
水門から三地門原住民文化園区までは1キロくらいだし、そのすぐ近くには山川琉璃吊橋もあります。
まずは水門行きのバスに乗って、周辺を散歩してから、午後の霧台行きのバスに乗り継ぐのも楽しいですよ。

ちなみに私は事前にネットを駆使して霧台の民宿をFacebook経由で予約をしておりまして、
霧台に着くなり、民宿に向かって、民宿の庭先にメッセージと共に鞄を置かせてもらってから散歩にでました。
民宿を切り盛りしているのはおばあちゃんですが、外国人の予約が入ると孫が手伝いに来るようで、
孫とFacebookメッセンジャーを駆使しながら連絡を取り合っていました。

「ばあちゃんの手伝いで畑に出ています。今どこにいますか?」
「霧台には着きました。周辺を散歩しているのでお構いなく。」

霧台に民宿はたくさんありますが、ネットから予約が可能で、昔ながらの石造りの民宿というのはなかなかなく、
たまたまFacebookを公開していた夢想之家に連絡をとって二泊しました。
飛び込みでも空いていたら泊めてもらえますが、事前に予約した方がお得です。
なぜなら晩ご飯に原住民の伝統料理を食べさせてくれたり、お祭りのビデオ上映会をしてくれたりするからです。
翌日、日本人男性が一人でぷらりときましたが(村のカフェのお姉ちゃんが電話で予約してくれたと言っていた。)
2泊目はふつーの台湾ご飯だったし、孫がいなかったから民族衣装撮影会もなかったです。

霧台が注目されているのは、この辺りに住むルカイの人たちが、石板を重ねて作った家に住んでいたからです。
いわゆるスレートってやつです。夜市でよくある「原住民式石板焼き肉」っていうのはこれを鉄板代わりに使った物。

今では倒壊して住めない家もありますが、修復しながら住んでいたり、近代的なおうちの内外をスレート壁にして、
観光客向けの民宿にしていたりします。私が泊まったのがこのタイプ。
きっと昔は建材にこれを使うのが効率よかったんだろうけど、台湾も地震がありますし、山の冬はそれなりに寒い。
今となっては住みにくいんだろうなと思います。

そして民族衣装の貝の飾りを見たら、やっぱり昔は海沿いに住んでたのに、山に追いやられたことが見て取れる。
ともかく、そんな霧台滞在を少しずつ紹介していきます。

まずは夢想之家とスレート採取現場など

夢想之家

夢想之家の部屋
住所:霧台郷霧台村中山巷38郷
電話:+886 8 790 2312
URL:https://m.facebook.com/dreamhouse.wutai/

Facebookのメッセンジャー機能を使って2泊予約した民宿。
床、部屋の壁(薄い石板を重ねて壁にする)などにスレート石材を使っていて、ルカイ式住宅を堪能できます。
事前に予約していたので、初日の晩はアバイや鶏、野菜などの原住民の食事が出ました。
粟のお餅の中に豚肉が入っているのはプユマのお祭りでよく頂くのとおんなじ。
食事の後はお祭りの様子や結婚式の様子を撮影したビデオを見せてくれました。
時々日本語が混じるので「なんで日本語を!」と聞くと、「漫画で憶えた」と。
村のお年寄りに日本語世代もいますが、若い子は漫画やアニメで憶える子がいるのが時代の流れだなぁと。
民族衣装をまとっての撮影会はなんとも照れる。(風呂上がりですっぴんだし。)

バスルーム 夢想之家入口 夢想之家リビング 夢想之家の庭
ルカイの民族衣装を着たカップル ルカイの民族衣装で記念撮影 原住民式晩ご飯 豆のスープ

霧台のスレートを使った建造物と採掘現場

村長の家 スレートを使った屋根材 スレートの壁の一部
霧台の町中はスレートを使った建造物だらけ。遊歩道も石畳にして観光情緒を誘います。
左は昔の頭目の家屋を観光客向けに綺麗に修復した建物です。 壁は薄くて小さいスレートを重ねた部分と大きな石板を立てに使ったものとが組み合わさっています。
真ん中は屋根に河原のようにスレートを綺麗に使ったおうちです。山の斜面なので屋根を上から見下ろせる。
そして、右はスレートに民族的な彫り物がしてある壁材ですね。古い物か、新しい物かは不明ですが、
村中にこういうのがいくつも並べてあって、屋外博物館のような体をしております。

そして、村の周辺をポテポテ歩いていれば、スレート材の採掘現場もすぐに見つかる。
地震とか豪雨とかの自然災害の時、崖崩れが簡単に起きそうでちょっと怖いですね。

スレートの採掘現場


台湾の旅に行きたくなったら・・・物価と旅程の目安にどうぞ。

旅行時期:2017年12月
1NT$=約4円
■交通:バス 屏東→霧台 142元、神山→霧台 24元
■その他:総合愛玉子 55元、コーヒー 60元、米酒 55元、教会寄付 100元
■宿泊:夢想之家

■成田-台湾航空券 直行便で30,000円前後~。(参考:H.I.S. 台湾旅行
 台北便はLCC、チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
 LCCは夜中や早朝など時間帯が今ひとつな代わりに、台湾に早く到着できるというメリットもある。
 また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
 高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
 お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。

 国内線は、台湾の航空会社で直接買うと中国語(繁体字)なので若干ドキドキします。
 今はエクスペディアで定価で買えるので、使うといいですよ。