台湾の秘境温泉:無くなる前に行っておきたい廬山温泉。
【屋外に設置された電源ドラムは傘で雨から守る。この大雑把加減が日本にはない。】
廬山温泉は台湾南投県の山奥にある温泉。台湾で最も高いところにある温泉街と言われていました。
ところが、この地は2000年代に立て続けに水害に見舞われ、2012年には南投県政府が温泉街の廃止を決定。
情報を集めると「まだ営業している」という情報が散見され、そうなると行ってみたくなるではありませんか。
訪れたのは2017年の7月ですが、・・・まだやってました。温泉街廃止宣言からすでに5年です。
ここいらは映画セデックバレでも注目を浴びたモナルーダオが修めていたマヘボ社があった地域です。
台湾で映画が公開されたのは2011年。(日本では2013年)
映画が大ヒットとなり、観光地としての注目も浴び、忸怩たるモノがあったことでしょう。
モナルーダオの足跡がいくつも残されておりましたよ。(もちろん、途中の霧社にも。)
廬山温泉に行くには台中から埔里(プーリー)へ向かう
廬山温泉へ向かうには、台湾西海岸中部の都市、台中が出発地点となります。台中のバスターミナルや駅などにあるバス乗り場から「埔里」行きに乗り、終点のバスターミナルで下車。
私の場合、鹿港から高鉄台中駅にバスで出たので、そのまま高鉄台中駅で乗り換えました。
土日は台中の町中を通ると渋滞するので、台中市内に用がなければ通らない方が無難です。
埔里の名物はビーフン。水粉
埔里の町中でどこででも食べられますが、せっかくなので一番の有名店へ。
振松記米粉:南投縣埔里鎮中山路三段215號
ガイドブックでも必ず紹介されている有名店です。バスターミナルから歩きたくなかったら、バスを埔里酒廠展售中心で降りると目の前です。 廬山温泉の往路か復路にでも立ち寄って見て。
埔里から廬山温泉へ行くのにちょっとしたアドバイス
温泉行きもしくは廬山行きのバスで1時間ちょいで廬山温泉へ到着
埔里から廬山温泉へはバスで小一時間ほどで到着します。道中は、途中に観光客目当ての食堂やら旅館やらがちらほら出てくるほかは、 ひたすら山道をくねくねと登っていく感じです。走っている車も日本車が多いし、日本の山道と変わりません。
こちらの道は「トオサンの桜」という本にも描かれていますが、台湾の桜守と言われる王海晴さんが こつこつと植えてきた真っ赤な桜が有名な道路です。
台湾の桜は1月下旬頃に咲きますが、そのシーズンにはきっと桜渋滞が起こっていると思われます。
(台湾はちょうど旧正月のお休みとかぶるから余計大変そうですね。)
水害で廃業した旅館
川側の壁が壊れている。
単なる山間の観光地の雰囲気です。
日本の温泉街で例えると、水上温泉とか伊香保温泉とか、温泉を備えたホテルがずらりと並ぶような感じ。 ただし、水害によって廃業したり、移転した宿泊施設も多いため、観光客もまばらです。
特に川沿いの温泉旅館は完全に壁ごと持って行かれた様子が生々しく残っており、
水害の大きさが感じ取れます。
水害も一回ではなかったので、さすがにダメージがひどかったのかも知れません。
どこも予約していなかったので、キョロキョロしながら歩いていたら、玉池温泉会館のご主人の客引きに会い、
普通にこちらにお世話になりました。
露天温泉はやっていませんでしたが、立派な内風呂が付いており、ちょっとデラックスなお部屋に
割引価格で泊めてくれたので大満足です。
日本だと飛び込みだと定価になったりしますが、台湾だと飛び込みの方が値引きしてくれたりするのがありがたい。
崖崩れで進入禁止の道
この先に営業中の店がある
ともかく、行政としては危険だから観光客誘致は諦めようとしている地域でもありますので、 訪れる場合は自己責任で。
山間を散歩したりするのも楽しいですが、台風とか天気予報が怪しい時期は避けないと駄目ですよ。
お湯もいいし、のどかだし、ご飯は美味しいし、次は霧社に桜が咲いてる時期に行きたい。(寒そうだけど。)
そして、行く前には是非、セデックバレとトオサンの桜を見てください。もっと旅が楽しくなります。
廬山温泉
温泉地の様子
移転が決定した温泉街だと聞いていたので、団体観光客がいたのはちょっと意外な感じがしましたが、 言葉や服装などの雰囲気から中国人観光客だとすぐわかる。
台湾の田舎に行くと「え?こんなところにまで?!」という超へんぴな場所にあるホテルやレストランが中国人で混雑しているので、あ、ここもかと妙に納得。日本だと政府が閉鎖を決めた場所に連れて行ったら騒ぐひといますよね。絶対に。
奥地の売店兼温泉
我々日本人が立ち寄り湯と聞いて想像するのは露天風呂があるような大風呂ですが、こちらは台湾式の小さめの貸し切り風呂。ただし、しばらく使っていないようで、風呂桶の中の水は冷たかった。(使ってないのに、お湯を抜いてない。)
途中の崖崩れの跡が生々しかったので、お客さん来なくなったのかもしれない。
温泉地の日本家屋
近年の台湾懐古ブームのおかげかなんなのか、廬山温泉の村のあちこちにも再建された日本家屋がちらほらと建っていました。
かつて日本が統治していた時に、役所とか警察署などは日本風のモノが建てられていたと思われます。
明らかに新しいので、最近建てたものと思われます。
明らかに新しいので、最近建てたものと思われます。
セデック族の英雄:モナルーダオの痕跡が残る場所
そのため温泉地の周辺には先導した英雄モナルーダオの住居跡やら彼らが住んでいた集落であるマヘボ社の跡、 日本軍と戦った戦場跡など、様々な場所でその痕跡を見ることができる。
映画を見た後だと感慨もひとしおです。
廬山温泉で食べたもの
今回は吊り橋を渡った対岸にあった食堂で頂きましたが、どれもうまかった。何でもあったけど、なるべく山のご飯を注文。 原住民料理です。
香炒檳榔花はビンロウの花の炒め物。ニンニクと塩で味付けしてありました。しゃくしゃくしてて美味しい。 香酥渓魚(渓哥)は川魚のオイカワのフライ。香焼山猪肉はイノシシの焼き肉。これに廬山温泉産ではないけども小米酒とかビールと共に頂きました。おまけの米粉は埔里のです。
廬山温泉で泊まった宿:玉池温泉会館
公衆温泉もありますが、お客さんが少ないからかお湯を張っていなかったので部屋のお風呂だけ使いました。
台湾は基本的に部屋風呂で、各部屋に温泉のお湯が引いてあるので贅沢な気分になります。
台湾の旅に行きたくなったら・・・物価と旅程の目安にどうぞ。
旅行時期:2017年7月
1NT$=約4円
■宿泊:玉池温泉会館 確か2800元くらい。1NT$=約4円
■成田-台湾航空券 直行便で30,000円前後~。(参考:H.I.S. 台湾旅行)
台北便はLCC、チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
LCCは夜中や早朝など時間帯が今ひとつな代わりに、台湾に早く到着できるというメリットもある。
また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。
国内線は、台湾の航空会社で直接買うと中国語(繁体字)なので若干ドキドキします。
今はエクスペディアで定価で買えるので、使うといいですよ。