プユマ族の風習:故郷を無くした友を家族に迎えたり、新築に地鎮祭を行ったり。

【家の主が亡くなった方を受け入れるための食事会のごちそう。】
台湾原住民族プユマ族の賑やかなお祭りのハレの行事は終わりましたが、その裏で褻の行事もあります。
日本でも家族が亡くなった場合、しばらくの間喪に服して華やかな行事には参加しません。
プユマ族もそれと同じような風習があります。
ただし、日本と違うのは年末年始に行われるいわゆる年祭が喪の期間の節目となっている点です。
家族が亡くなってから1年間は喪中・・・とかではなく、年祭での一連の儀式を通過したら喪が明けます。
実はこの辺りは2018年末~2019年始にいつもお世話になっているご家族と一緒に体験させて頂いたので、
これについての詳しい話はまた別の機会に譲りますが、ともかく年祭がベースとなっていることです。
今回は2018年始を経て喪が明けたとあるご婦人のための宴が催されました。
この方は2017年中に部落に居住していたご家族が亡くなったのですが、ご家族が亡くなったことで、
部落の中に近い親戚がいなくなってしまったのです。
自分の生まれ故郷に家がなくなると、故郷に帰りづらくなります。
「今日からあなたをうちの家族に迎え入れます。だからいつでもこの部落に帰ってらっしゃい」
そういう意味を込めて催された宴会に、これまた勝手に家族のように参加させて頂きました。
そしてもう一つ。
部落の一角に何やら部族に関係する建物か何かを建てるらしく、いわゆる地鎮祭をやっておられた。
形は違うけど、台湾の原住民族も日本と同じようなことをやっています。
というかもしかすると、元々あった民俗行事が日本が統治した間に似た感じに変化してしまったのかもしれない。
台湾には西洋列強、中華民族、日本と様々な民族の支配を受け、文化や風習が変わって行きました。
プユマの夏の行事に未だに相撲大会があるのも、その名残だし。(これも別の機会にまた書きます。)
同じ場所に遊びに行ってるのに、毎回いろんな文化を見聞きできて、非常に有意義です。
ありがとうございました。また来ます。
プユマ族の行事
ふるさとに親戚縁者がいなくなった方を家族に迎え入れる行事


左:家の敷地の中に作られたプユマ式のお社、右:神様へお供え。
主役のご婦人はこの家の主のかつての職場の同僚で、学校の先生時代に一緒に教鞭を執ったとのこと。
おそらく嫁ぎ先が部落外で、ご家族(ご両親でしょう)が亡くなり、「ただいま!」と帰る家が部落内に無くなってしまった。 そこで、今日からこの林家が彼女の自宅というつもりで、今度部落に戻ったらここに帰ってらっしゃい。という意味の宴会だそう。
長老がお社にお祈りし、供物を捧げ、みんなもお祈りをした後に宴席の開始ということになります。
参加人数が少なめなのは祭が終わって、みんな仕事が始まったから。(旧正月ではないので休みが短い。)
プユマのご飯と中華風のおかずで、ちょっと控えめに一緒に踊って、これで家族の仲間入りです。
(そして、いつも当然のようにこういう宴席に同席している私。誘われたら遠慮せずに参加する。)


左:長老の言葉に耳を傾けながらお祈り、右:家族として一緒に踊る
プユマ族のいわゆる地鎮祭


「年祭も終わったのに、一体何しにパラカンに行ってるのだ。どんだけアクティブなんだ。」などと思ったら、
なんとビックリ。地鎮祭らしきものをやっているではないですか。
ばあちゃんマイク持って挨拶している最中で、しゃべりの合間を見計らって挨拶だけして辞去しました。
広場の真ん中にピラミッドをスライスしたような形に砂を盛り上げてあって、その上にロープや花や竹で直錐体になるように飾りがしてあって、 その直錐体の向こう側には、真新しいヘルメットとスコップがじじばばの人数分並んでいます。
きっと、お祈りなどの一連の行事が済んだ後に、それぞれの参加者がヘルメットをかぶり、スコップを持って、あの砂を崩すのであろう。
「あー、見たい。見たいけど、電車の時間が~!!」ということで、最後まで見ずにその場を後にしましたが、 知ってたら電車の時間を遅らせたのに~と思いつつ、まあいつも台東滞在はこんな感じでスケジュールが自分たちの意思通りに どうにもできないのは普通のことなので、仕方ないということにする。
この年の夏、年末と台東に行ったけど、このことすっかり忘れていて、何を作ったのか確かめておりませぬ。 次回行ったときこそ確かめます。



【大猟祭:1月1日の夜。火を囲みながら長老のうたいに合わせて踊る。喪明けに最初に入れる踊りの輪】
台湾の旅に行きたくなったら・・・物価と旅程の目安にどうぞ。
旅行時期:2017年12月
1NT$=約4円
■宿泊:伊娃民宿1NT$=約4円
■成田-台湾航空券 直行便で30,000円前後~。(参考:
台北便はLCC、チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
LCCは夜中や早朝など時間帯が今ひとつな代わりに、台湾に早く到着できるというメリットもある。
また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。
国内線は、台湾の航空会社で直接買うと中国語(繁体字)なので若干ドキドキします。
今は