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プユマ族大猟祭2012:卑南文化公園で南王部落大猟祭2012開催!

2013年の春節から走るプユマ号がプリントされたベスト。反応かわいすぎ。
【2013年の春節から走る特急プユマ号を記念したベスト。うれしくて作っちゃったらしい。】
大猟祭当日、約束の10時半ギリギリに会場である卑南文化公園にやってきた。
公園がある南王地区から8キロほど離れた初鹿地区からである。

実は今回の旅は台湾人の大型連休とばっちり重なってしまい、台東市街地の宿が全く確保できなかった。
特に我々は4連泊かつ3室が必要で、空いていても正月料金で普段の数倍もふっかけられる始末。
相談した知人からは「台湾ってコネ社会だから事情話して頼んだ方がいいよ」とアドバイスされ、
ただでさえ滞在中にお世話になる人たちにさらに面倒を頼んで、とって頂いたのが初鹿の宿である。

国道にでれば池上や鹿野から台東へ向かうバスがそれなりに通るため、交通の便はまずまず。
丘の上の眺めのよい場所にあるコテージは非常に心地よく、市街に宿泊するよりずっと楽しかったくらいだ。

祭り当日の朝もバスの時刻表にきっかりにバス停で待っていたのだが、時間になってもバスはやってこない。
バス停に添付された時刻表を確認すると、あろうことか乗りたかったバスだけ減便されていて、顔面蒼白。
結局、大あわてでタクシーを探しだし、約束の時間ギリギリに公園に飛び込んだ。

民族衣装を着た子供たち
民族衣装を着た子供たち
ある人には「10時半」ある人には「10時頃」と言われた待ち合わせ。
「少なくとも10時半には着かないとやばいだろ。」という感覚で急いだ訳ですが、 案の定、10時半になっても祭りは始まる気配など全くない。

いや、わかってたけど、台湾人は沖縄の人の感覚が一番近いっていうけど、
それでもやっぱり10時半と言われたら、10時半に着かないと気持ちが悪い。
それでも11時近くになってようやく祭りが動き始めたのを見ていると、
「プユマの感覚の"10時頃"って、一体何時までを指すのかなぁ?」
なんて、さすがにしみじみと考えてしまった。

プユマの民族衣装を着付けてもらっている
民族衣装を着付けてもらう。
そうはいっても祭りが初めての友人は会場の空気を楽しんでいたし、
私は私で民族衣装を着せてもらったりして、タクシー代以上の価値はあった。
この時間感覚の違いについてはこの後もいろいろ体験することになるのだが、
旅慣れた私はともかく、こういうのが初めての友人はどう感じるのか、
台湾に誘って連れてきた手前、そっちの方にハラハラした。

ちなみに2012年の大猟祭は大まかな筋は2011年と同じではありましたが、
山ごもり中の雨がたたって獲物があまり獲れなかったのか、
男性から女性へ獲物を渡す儀式やら表彰式やらといったものがありませんでした。
祭り当日に雨が降らなかったのだけはよかったです。

そして、近年、カメラ片手に図々しく内部に入り込み儀式の邪魔をする部外者に困っていたようで、
今年は(もちろん私も含む)部外者は儀式などの最中に近づかないように若い子が交通整理をしておりました。

「関係者以外はこの線から前に入らないでください。」

そう書かれたプレートを持った係がいるだけで、きちんとその決まりを守るのはやっぱり台湾人って感じ。
後で聞いた話では、この祭りに600人もの中国人ツアーを受け入れてくれという依頼があったらしいのだが、
さすがにきっぱりとお断りしたらしい。

600人って・・・ここに集まる部落の人たちの人数に匹敵する。っていうか、もっと多いか?
自分も祭りをのぞきに来ている外国人のくせに、ああ、その人たちが来なくてよかったと勝手なことを考えた。

と、2011年に続いて2回目のお祭りのため、撮影した写真は少ないですが、一応、下で報告。
2011年の祭の方が写真が多いので、興味があったら最下部のリンクをたどってそちらもご覧ください。


2012年台湾 プユマ族 南王部落 大猟祭 写真館

少年組の入場はやっぱり裸。

会場に入場してくる少年。今年の成人する子たちだ。
祭りの最初は今年少年組から青年に出世?する子がやっぱり駆け下りてきます。 裸に腰巻き一枚で、儀式を終えて青年になれたら出世魚のごとく、上衣や頭衣など、衣装が増えていく。
「少年が肩に担いでいるのは長老の荷物という設定」だそうで、 昔はホントに長老の荷物を担いで山から下りてきたそうですが、現在は形だけを再現しているそうだ。
持ってみたらとっても軽かった。ただの布を巻き付けてある感じ。

ちなみにこのとき、青年の後ろをお目付役っぽい長老が追いかけていたのだが、徒歩ではなくてバイクだったのに驚いた。 それも排気量は小さいけどアメリカンスタイルのバイク。
青年を見送った後、次の自分の仕事のためにバリバリと排気音をとどろかせながら元の位置に戻っていったのもびっくりだった。
去年80過ぎのばあさんが飲み会の後スクーターで帰ったのも驚いたが、プユマの老人はすごすぎる。

長老が入場し、大猟祭の始まり

大猟祭の儀式の始まり
青年たちが駆け下りた後、20分ほどの間があってから長老たちのお出まし。バイクで戻った長老もきっと長老の列に紛れていたことだろう。
部落の頭目を先頭に長老が歩き、それを守る体で中壮年の男たちがくるくると長老の列を取り囲むように走り回る。
凱旋門をくぐり、平服だった長老たちを飾り付けるのは女の仕事だ。
ちなみにこのとき、人徳がある人であればあるほど花輪の数が多くなるそうである。 南王部落は誰もが伝統文化の保存に熱心な人が多いので女性も花輪をがんばって作るのでしょう。 長老間の花輪の数の差はなく、どの長老も冠や首に何重にも花の冠を巻き付けていましたが、確かに他の集落はもちっとジミだったかも。

列の先頭を歩く頭目長老の列女性たちによって派手に飾られた長老たち長老と中壮年の衣装

前日に準備したアバイなどを含んだお昼ご飯

麻油鶏:鶏酒スープ
プユマ族のハレご飯。アバイ作りを見学。」にも書いたように今年はすこーしだけ準備も手伝ったというか、邪魔したというか、体験させて頂きましたが、お祭りのご飯です。
祭り会場で麻油鶏の仕上げを見ていた連れは「酒瓶を両手に1本ずつ持ってどぼどぼと豪快に鍋に投入」しているのを見たという。
お酒を料理に使う場合、強火でアルコールを飛ばすものですが、このスープはスープ入りの酒って感じでしょうかね。お酒をちょっと燗する感覚で、あっためてあります。
友人は酔ってるのかなんなのか、「これ効くねぇ」と独り言の様に何度もつぶやいていた。

ちなみに台北のお店で「米酒ってありますか?」と聞いた時、「米酒は漢人は料理酒にしか使いません。だからお店では出さないんですよ。原住民はそのまま呑むみたいですけど。」ときっぱり。
漢人はビールや竹葉酒、ウイスキーなんかをお酒として呑むけど、米酒は料理にしか使わないんだそうで。
去年の祭で「料理酒」というラベルのお酒をコップに注がれて、「それ料理酒だよ!」ってつっこんだけど、
意味のないつっこみだったんだなぁ。養命酒と米酒を割って呑むのも相変わらずです。
アバイは前日の晩に作った物以外に粟のもいただきました。やっぱりおいしいです。
アバイ 小米粽アバイ タロイモ入りおこわアバイ 肉入り餅プユマ族大猟祭のごちそう

卑南国中に移動して少年祭

卑南国中の隣の集会所の門から入場する長老
交通整理が効いたのか、獲物が少なくて儀式が省略されたのか、割とあっさりと大猟祭会場から次の少年祭へと移行しました。卑南国中の横にある集会所です。ここは文化公園よりもずっと狭い。
火の周りで輪になって踊っていた子供たちのところに長老たち、長老を守っていた中壮年の男性たちが順番に入ってきて、歌い踊ります。
今年は屏東からパイワン族がゲストで駆けつけておりました。黒っぽい布に金色や赤の刺繍が入っているのがパイワン族の衣装。プユマは年代や性別によりブルー、赤、白が基調なので、対比が綺麗。
ここでも交通整理はきちんとしていて、プユマの集落の人だけだったり、外部の人を混ぜたりしながら、数時間踊りと歌を楽しみました。私もプユマの衣装を身につけて混ぜて頂いてます。

輪になって踊っている少年たち踊りの輪の中心に座る長老屏東県からやってきたパイワン族の少年たち踊りの輪に混ぜてもらう漢族や日本人などの部外者

集落中のみんなが輪になって踊る。
【集落中のみんなが歌に合わせて輪になって踊る。】

台湾に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。

旅行時期:2012年12月~2012年1月
1NTW$=約3円
■交通:タクシー 初鹿-卑南文化公園 300NTW$、南王-初鹿牧場 350NTW$
■その他:紅包 適当な額を祭り会場で。

■羽田-台北航空券 直行便で20,000円前後~。

台北便は通常チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
特に閑散期のチャイナエアの安さは目を見張る物があり、航空会社にこだわらない人は使いでがある。
ジェットスターなどの格安航空会社も出てきました。年末などの繁忙期は検討の価値もあるかも。
また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。(その他:花蓮-沖縄間のチャーター便も。)
JALやチャイナエアなら比較的特典航空券をとりやすいので、貯めてる人はマイルで飛ぶのもアリ。

旅程を立てるために参考にした本やウェブサイト
交通部鉄路管理局花東縦谷国家風景区旅々台北台北ナビEasyTravel台東民宿網