台湾原住民族舞踊団:高山舞集文化芸術団の年越し舞踊ショー

【2012年の年越しは高山舞集のショーをただで見物して締めくくり。】
夜半には成人したプユマ族の若者たちがお披露目に各家庭を回ってくるのを見学した後、宿に戻り、
台東の体育場で行われているカウントダウンライブを会場へと足を運んだ。
23時55分を過ぎた頃、ステージの上で披露されていた歌が終わり、綺麗な女性の司会とともに
男女合わせて10名近い人たちがステージ中央に現れた。
そして、10秒前からカウントダウンが始まり、「サン、アー、イー(3,2,1)」というかけ声と同時に
どばばばばばーーっと花火が上がった。
それもあろう事か体育場の後ろのちょっとしたスペースからうちあげていて、目の前の学校の校舎にも
花火がミサイルのように尋常じゃないくらいにぶち当たっており、日本ではまず許可が下りないとびっくりした。
さすがは台北101から花火をぶっ放す国である。
で、2012年末だが、今年は宿泊している宿が初鹿部落だったため、さすがにイベント見学は望めない。
プユマ族の大猟祭、少年猴祭がつつがなく終わったところで、長老と酒を酌み交わしていた。

中国人向けツアーの看板
「宝島台湾年越しの旅」
"雨が吹き付け、寝床に水がしみ出すから寝ていられない。"
"椅子に座れば、ぬかるんで軟らかくなった土に脚がめり込んで倒れる。"
山ごもりの3日間、天候不良の影響で疲労困憊して帰ってきていた長老だが、
大猟祭ではもちろん中心的な役割を果たし、1日出ずっぱりだった。
戸棚の中から長老御用達の保力達(台湾の養命酒)と米酒をだし、
ようやくいつもの晩酌、保力達の米酒割を飲み始めたところだった。
「何してんの?これから初鹿行くよ。人数足りないからあんたも来て。」
家の中から高山舞集の団長で、長老の奥方の林さん登場。
行事が終わって普段着でリラックスモードだった長老は、再びプユマの正式な装束に着替えさせれていた。

中国人観光客の晩餐。
ステージではカラオケしてた。
青年たちが来るまで飲んでる算段だったのだが(そもそもじいさんばあさんと飲みながらお話ししたくて今年も台湾に来たのだ。)、事態が飲み込めないまま長老とともに団長に拉致られてしまった。
向かった先は我々が宿泊していた宿がある初鹿地区である。
南北方向に伸びる国道9号を挟んで西側が我々が泊まっていた地区で、
対する東側に初鹿牧場がある。
山に向かってのびる一本道をぐんぐん登っていくと、牧場近くに山荘やレストランが現れ、
その一角に作られた野外の宴会場で真っ赤なベストを着た数百人の中国人が宴会の真っ最中だった。
宴会場の前方にはステージがあり、なにやら催し物が行われていた。
「中国人の前で踊る」というのは、ステージの上でプユマの民族舞踊を披露でもするんだろうか・・・。
その宴会場のすぐ背後に円形の広場があり、ここなら大猟祭の様に輪になって踊れはするが、
会場に来ていたのは長老一人に妙齢の女性たちが10人。後は舞踊団の若い子たちだけである。
この人数では会場が大きすぎて、ゆってみれば、しょぼいですよね。いくら何でも。

ショーのフィナーレはほぼ爆発
花火が天灯に引火してた。
宴会場の背後にあった広場のはじっこにプラスチック製の椅子が並べられており、
次々とそちらに移動していく。
そして、ディナーショーの第二幕、高山舞集のプユマ族舞踊ショーの始まりである。
驚いたのはその演出。
プユマ族の伝統音楽や伝統舞踊を取り入れた民族舞踊ショーとして完成されていた。
昼間見た民族の伝統行事とは全く異なる姿だが、これも一種の伝統保存の姿である。
商業的に成立させるために、伝統を取り入れつつも観客を楽しませる演出を見事に潜り込ませてあった。
厳かな雰囲気で神に祈りを捧げるところから始まり、たいまつから広場の中央に組まれた櫓に灯をともす。
祭で聞いたような伝統音楽はダンサンブルなリズムにリミックスされ、合間合間でDJが雰囲気を盛り上げる。
広すぎると思った会場も観客参加型の構成にはぴったりで、ノリのいい中国人は我も我もと前に躍り出る。
(日本人ならよっぽど酒でも入ってないと絶対にこうはならない。)
最後は平渓でも見た「天灯」で、この空飛ぶ灯籠を揚げるのは観客自身にやらせる。
天灯は元々中国大陸から台湾に入植した漢人が原住民族の襲撃を仲間に知らせるために放ったのが始まりと聞く。
今となっては原住民族が漢人を楽しませるための演出に使うんだから、なかなかシュールだ。
次々と天灯が夜空に浮遊していくのをきっかけに、フィナーレの花火がばばばばーーーんと次々とうちあがる。
時々、花火が真上を通過する天灯を撃ち落としていたのには笑ってしまったが。
炎に包まれて浮遊する天灯を見るかぎり、間違いなく、時々、山火事起こしてるな~。
しかし、去年から今年にかけて、高山舞集の面々にすっかりお世話になっていたが、
今回初めて彼らの本業を見たことになる。
去年、布農部落で見たブヌン族のショーのように、ステージで伝統音楽や伝統舞踊を披露するような
そういう舞台をやっておられるのだとばかり思っていたが、とんでもない誤解だった。
残念ながら日本語を話せるのは団長の世代までなので、日本人のツアーに組み込まれるのはなさそうだけど、
これが見られないのはもったいないなぁとしみじみと感じてしまいました。
私は今回、中国人が「宝島台湾ツアー」で台東にやってきてくれたお陰で、ショーを見れてとっても幸せ。
ちなみにショーの後、我々は初鹿部落の大猟祭を見学して24時過ぎには宿に戻ったのだが、
南王部落に戻った高山舞集の面々は、成人した青年たちのお披露目周りを朝の4時に迎え、
さらに台東県の初日の出の行事に呼ばれて台東の海岸でサンバを演奏して、ほとんど徹夜だったらしい。
林団長が70、ダンナは80過ぎてるし、プユマの老人のパワーには恐れ入った。
台湾 台東 高山舞集 写真館
初鹿牧場のステージで行われたプユマ族の民族舞踊ショー

ショーは真っ暗な広場の一点にスポットライトが当たり、神に祈りを捧げる厳かな雰囲気から始まりました。
民族衣装を着た年配の方が現れたところは、儀式を見せているような雰囲気でしたが、徐々にエンタメ色が濃くなっていきます。
観客の中国人に声をかけながら、徐々に参加している人数を増やしていき、最後はみんなで広場で踊っていました。
自分が前に出ることにいっさいの躊躇を見せないところが中国人らしかった。日本人相手じゃここまでもりあがらんだろな~。
写真、ピントが合わなくてぼけぼけのばかりなので、こんだけですいません。
観客の中国人に声をかけながら、徐々に参加している人数を増やしていき、最後はみんなで広場で踊っていました。
自分が前に出ることにいっさいの躊躇を見せないところが中国人らしかった。日本人相手じゃここまでもりあがらんだろな~。
写真、ピントが合わなくてぼけぼけのばかりなので、こんだけですいません。


高山舞集のショーのフィナーレ

夜空に揚げる天灯は昼間よりもずっと幻想的。でもその幻想的な雰囲気も花火で天灯が打ち落とされたあたりから台無しになる(笑)
ツアー客は何組かの班に分かれているようで、その班ごとにガイドさんが誘導して天灯を打ち上げていました。
取り合いとかも起きず、マナーのいい参加者ばかりで、友人が抱いていた中国人のイメージとは異なるようで驚いていた。

ツアー客は何組かの班に分かれているようで、その班ごとにガイドさんが誘導して天灯を打ち上げていました。
取り合いとかも起きず、マナーのいい参加者ばかりで、友人が抱いていた中国人のイメージとは異なるようで驚いていた。



高山舞集でごちになった原住民族のハレの日ご飯

翌日は高山舞集の宴会にお呼ばれ。プユマ族のハレのご飯を頂きました。
豚肉は1週間前からタレに漬け込んでいたもので、これを炭火であぶって頂きます。
原住民族の石板焼き肉というのが伝統料理としてありますが、たぶんそれと同じです。葉っぱに包んで食べます。
どれもシンプルで素材の味を活かす調理法で、抜群にうまい。
皿に盛った豚の頭を宅内に持っていってたので、たぶんご先祖様か何かにお供えするんでしょう。 行事の時は豚を一頭丸ごと仕入れて、丸ごと調理するようですが、昔はもちろん、猟にでて獲っていたんでしょうね。








どれもシンプルで素材の味を活かす調理法で、抜群にうまい。
皿に盛った豚の頭を宅内に持っていってたので、たぶんご先祖様か何かにお供えするんでしょう。 行事の時は豚を一頭丸ごと仕入れて、丸ごと調理するようですが、昔はもちろん、猟にでて獲っていたんでしょうね。








台湾に行きたくなったら・・・物価の目安にどうぞ。
旅行時期:2012年12月~2012年1月
1NTW$=約3円
■交通:タクシー 南王-初鹿牧場 350NTW$1NTW$=約3円
■宿泊:初鹿 白木屋渡假休閒民宿 1000NTW$/泊(紹介価格)
■羽田-台北航空券 直行便で20,000円前後~。
台北便は通常チャイナエアラインが最も安く、続いてエヴァエア、日系という順で高くなります。
特に閑散期のチャイナエアの安さは目を見張る物があり、航空会社にこだわらない人は使いでがある。
ジェットスターなどの格安航空会社も出てきました。年末などの繁忙期は検討の価値もあるかも。
また、日本発が午後便だと台北での活動時間が減るので午前便より安い。
高雄便もあるけど台北に比べたら本数も少なく、おまけに台北-高雄間は新幹線で2時間。
お金と日程、旅の目的を計算して上手に選びたい。(その他:花蓮-沖縄間のチャーター便も。)
JALやチャイナエアなら比較的特典航空券をとりやすいので、貯めてる人はマイルで飛ぶのもアリ。
旅程を立てるために参考にした本やウェブサイト
ダイヤモンド社 2012-09-27
今回は少しだけ台北の観光名所や台北近郊観光地、おみやげ物色などがあったため、マップル台湾や台湾の歩き方など台北を中心に掲載されているガイドブックを一通り読んだ。そのほかの都市は完全にガイドブックに載っていないところばかりを歩いたため、すべてネット検索で情報を得ました。
今回は少しだけ台北の観光名所や台北近郊観光地、おみやげ物色などがあったため、マップル台湾や台湾の歩き方など台北を中心に掲載されているガイドブックを一通り読んだ。そのほかの都市は完全にガイドブックに載っていないところばかりを歩いたため、すべてネット検索で情報を得ました。
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